わらびのあく抜きは塩だけ?小麦粉や重曹での方法

わらびのあく抜きは塩だけ?小麦粉や重曹での方法

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早春の訪れを知らせてくれるわらび。ほろ苦い味を口に含むと、春をしみじみ感じますよね。ほろ苦さの正体はあく。わらびなどの山菜はあくの強さが特徴です。時間がないときのあく抜き方法、苦味をしっかりとりたいときのあく抜き方法などをご紹介します。

目次

塩でわらびのあく抜き

山菜の中でも、とくにあくが強いといわれているわらび。あくを抜くにも手間がかかります。そんな手間ひまかかけてでも、わらびの季節が来ると食べたくなるのは、あの独特のほろ苦さがやめられないからですよね。

重曹であくを抜くのが一般的ですが、家に重曹がないときは、塩だけであくを抜く方法もあるのです。

塩であく抜きをする手順

  1. わらびを洗います。穂先は軽くほぐすようにして流水でやさしく洗いましょう。
  2. わらびの根もとの硬い部分を包丁で切り落とします。
  3. 水1リットルに塩大さじ4を入れて火にかけます。
  4. 沸騰したらわらびを入れて弱火にします。ゆで時間は15~20分。
  5. わらびが柔らかくなったら取りだして、水で洗います。
  6. たっぷり水を入れた容器にわらびを入れて一晩浸します。

塩だけであく抜きできる簡単な方法ですが「うまくあくが抜けなかった」という声も多いようです。

エグミが強いときは、水をかえてさらにわらびを浸ける時間をのばしてみてください。ただし、わらびはゆですぎると溶けてしまうので、ゆですぎすないように注意しましょう。

わらびのあく抜きが必要な理由

そもそもわらびを食べるのに、なぜあく抜きが必要なのでしょうか?

そのままでは苦味やエグミがきつくて食べられないから、という理由があげられます。しかし、あくを抜くのは食べやすくするためだけではありません。わらびにはプタキロサイドをはじめとする発がん性物質や有害な物質が含まれているからです。

発がん性物質というとドキッとしますが、トラック一台分くらい食べなければ人体への影響は出ないといわれています。しかし動物については、発がん性があきらかになっているともいわれています。

わらびのあく抜きをする目的は、わらびに含まれる有害な物質を無効化し、安全に食べられるようにするためです。つまりあく抜きさえしっかりすれば、問題なく食べられるので安心してくださいね。

小麦粉でわらびのあく抜き

最近よく耳にする小麦粉でわらびのあく抜きをする方法。しかも30分もかからずにあく抜きできるというではありませんか!わらびは家にあるけれど、ゆっくりあく抜きをしている時間がないときなどに、試してみてはいかがでしょうか?

小麦粉であく抜きをする手順

  1. わらびを洗います。穂先は軽くほぐすように流水でやさしく洗いましょう。
  2. わらびの根もとの硬い部分を包丁で切り落とします。
  3. 水1リットルに小麦粉大さじ2、塩小さじ2を入れてよく混ぜてから火にかけます。
  4. 沸騰したらわらびを入れて、弱火で3~4分ゆでます。
  5. わらびを取りだして流水で洗います。
  6. 冷水に10分ほど浸します。

最後の冷水に浸すところは、小麦粉をとかした冷水の方がいいという説もあります。なぜなら、小麦粉でのあく抜きが短時間でできるのは、小麦粉が水の中でコロイド粒子という物質にかわり、わらびから出てくるあくを吸着するからだといわれています。さらにあくを吸着させるためにも、小麦粉入りの冷水に浸すというのは理にかなっていますね。

ただこの方法でもやはりあくが抜けきらなかったという声が…。

重曹でわらびのあく抜き

はじめてわらびのあく抜きをする、またはうまくできるかどうか不安なときは、重曹を使ったあく抜きを試すと失敗が少ないかもしれません。

ちなみに重曹は最近ではスーパーや100均などで手に入りやすくなりました。重曹には掃除用と食品用があるので、食品用の重曹を買うようにしてくださいね。

また重曹は量をきちんと測って使いましょう。重曹が多すぎると、わらびが溶けてしまうことがあるのです。もしも溶けてしまっても、叩いてつぶしたり、細かく刻んだりして料理に使うことはできますが、できればきれいにかたちを残してあく抜きしたいですよね。

重曹であく抜きをする手順

  1. わらびを洗います。穂先は軽くほぐすように流水でやさしく洗いましょう。
  2. わらびの根もとの硬い部分を包丁で切り落とします。
  3. 水1リットルに重曹を2~3g入れて火にかけます。重曹は水の量の1%未満になるようにします。
  4. わらびを入れて中火で4~5分ゆでます。
  5. そのまま鍋の中にわらびを一晩浸します。
  6. 流水で重曹を丁寧に洗い流します。

あく抜きいらず!わらびの塩蔵

わらびが一度に食べきれないほどたくさん手に入ったら、塩につけて保存してはいかがでしょうか?塩蔵すれば面倒なあく抜きをする必要がありません。材料はたっぷりの塩だけ。塩の量さえ気をつければ失敗が少ないので、はじめての人でも作りやすいかもしれません。

わらびの塩蔵の手順

  1. わらびを洗います。穂先は軽くほぐすように流水でやさしく洗いましょう。わらびを小分けにして紐などで軽く結んでおくと扱いやすくなります。
  2. わらびを漬ける保存容器に塩を敷いておきます。
  3. そのうえにわらびを敷きつめて上から塩をふります。
  4. さらにわらび、塩、わらびの順番で並べて、上からたっぷりの塩ですき間を埋めていきます。塩は「多すぎるかな?」というくらい使ってくださいね。多い分にはかまいませんが、少ないと失敗の原因になってしまいます。
  5. わらびの重さの2倍ほどある重しをのせて冷暗所で保存します。
  6. 翌日には水があがってきます。もし上がってこないようなら、100㏄ほどの水を加えてください。
  7. 60日ほどたったら水分をすてて再度塩で漬けます。このときの重しは軽めでもOKです。

この状態で冷暗所で1年以上保存できます。食べるときはその都度、必要な分を取りだして塩を抜いてくださいね。

塩抜きの方法は、水をはった鍋に塩蔵したわらびを入れて火にかけ、沸騰する前に火をとめてそのまま数時間おきます。わらびの塩が抜けて食べやすくなるまで、これを数回くりかえします。

木灰でわらびのあく抜き

木灰であく抜きをするというと「なんでわざわざ灰を使うの?」と思いますよね。

現在では手に入れるのがちょっと難しい木灰。薪ストーブのある家ならあるかもしれませんね。ですが昔は家の中にイロリやカマドがあるのが当たり前だったので、木灰はごく身近なものでした。ですので、わらびを木灰であく抜きをするのは身近なもので工夫する昔の人の知恵だったのでしょう。

もしもわらびと一緒に木灰が手に入ったら、木灰を使ってあく抜きをする方法を試してみてはいかがでしょうか?

木灰であく抜きをする手順

  1. わらびを洗います。穂先は軽くほぐすように流水でやさしく洗いましょう。
  2. わらびの根もとの硬い部分を包丁で切り落とします。
  3. わらびを縦に持って根もとを木灰のうえでトントンして木灰をつけます。それからわらび全体にすりこみます。
  4. わらびが浸るくらいの熱いお湯をかけて一晩おきます。
  5. わらびを流水で洗って丁寧に木灰を落とし、水に2時間ほどつけます。

あく抜きがうまくいかなかったときの調理

「あく抜きをいろいろ試してみたけれど、いまいちあくが抜けきらなかった」。「ほろ苦いというよりはむしろ苦い…」。

そんなときは苦味をあまり感じないように調理法を工夫して見てはいかがでしょうか?苦味は残っていても、熱湯でゆでて水にじゅうぶん浸したわらびなら安全面においては問題ないはずです。あまりにもエグミが強くて食べられないときは、べつのあく抜きの方法を試してくださいね。

苦味が多少残っていてもおいしく食べられる料理といえば天ぷらではないでしょうか?さっくりした衣の歯ごたえと油のこくが、わらびのほろ苦さを引き立ててくれます。わらび以外でも、山菜と天ぷらはよくあいます!そのほか味を濃いめにした煮物に入れても苦味を気にせずに食べられそうですよ。

まとめ

わらびのあく抜きにはいろいろな方法がありますね。塩や小麦粉を使ったあく抜きは手軽だけれど、あくが残ってしまうこともあるようです。しっかりあくを抜きたいときは、やはり重曹を使うことをおすすめします。重曹が手にはいらないときは塩蔵も一つの手。塩蔵すれば一年中わらびが食べられるのも魅力ですよね。

また少々苦味が残っても、調理法を工夫すればおいしく食べられます。そのときにあったあく抜きの方法で、春の訪れを味わってくださいね。

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