酒粕は子供(赤ちゃんや幼児)が食べても大丈夫?粕汁や甘酒は?

酒粕は子供(赤ちゃんや幼児)が食べても大丈夫?粕汁や甘酒は?

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日本酒を絞った後に残ったものが「酒粕」。美容や健康によいことで話題になったので、生活に取り入れている方もいらっしゃるかもしれませんね。食べたことのある方ならご存じのように、酒粕にはアルコール分があり、種類にもよりますが、5~8%含まれています。美味しいし、体にもいいけど子どもには無理、と思ってしまいますよね。

酒粕は子供が食べても大丈夫でしょうか。

実は、酒粕は子どもにも食べさせることができるのです。

もちろん、アルコールは飛ばす必要がありますし、食べられるようになる年齢や食べさせ方など、注意点はあります。この記事では、いつから子どもに酒粕を食べさせることができるのか?食べさせる時の方法や注意点、おすすめレシピなど詳しくご紹介します。また、甘酒に関する情報もご紹介しますので、是非最後まで読んでくださいね。

目次

子供が飲める甘酒の種類

「甘酒」には3種類あります。一つは、酒粕を使って作られるもの。もう一つは、米こうじで米を発酵させて作られるものです。そして、市販のものなどには、酒粕と米こうじ両方使われているものがあります。ちなみに、こうじの漢字にも「麹」と「糀」の2種類あるのはご存じですか?一般的に「麹」が使われることが多いのですが、これは、穀物を蒸してこうじ菌を繁殖させたものの総称で、中国から来た漢字。「糀」は、米に生えたこうじ菌が白い花のように見えることから作られた、日本オリジナルの国字です。この記事では「こうじ」とひらがなで表記していきますね。

酒粕を使った甘酒

酒粕と水に砂糖を加えたものが一般的です。加熱によりアルコール分は減っていますが、1%程度のアルコール分が残っていることが多いので、子どもに与える場合や運転前、妊娠中などには気をつけましょう。市販のものの場合、アルコール分の表示を確かめましょう。ただし、アルコール1%以下の場合でも「清涼飲料水」となり、アルコール分が表示されていないことが多いので、原材料に酒粕が含まれているかどうか確認してください。

米こうじを使った甘酒

米こうじと水に、お米またはご飯を加え発酵させて作ります。米に含まれるデンプンが、こうじ菌の酵素アミラーゼに分解されてブドウ糖になり、自然な甘さとなります。アルコールは含まれないので、子どもにもオススメ。市販のものを買う時は、原料が「米・米こうじ」だけのものを選びましょう。間違えないように「麹あま酒」と表示されているものもありますよ。

消化がよく、ブドウ糖がすぐエネルギーとなり、食欲がない場合でも飲みやすいのが特徴。「飲む点滴」と呼ばれる甘酒がこの「こうじ甘酒」です。江戸時代、特に京都や大阪では、夏の夜の暑気払いや栄養補給用として売られていたので、「甘酒」は夏の季語になっています。アミノ酸やビタミン、食物繊維、オリゴ糖などもバランスよく含まれており、便秘解消にも効果が期待できます。大人だけでなく、子どもの離乳食やオヤツとしてオススメなのが、この「こうじ甘酒」なのです。

子供が飲める甘酒の種類はアルコールが入っていない米こうじの甘酒だけ。

ちなみに米麹の甘酒は農林水産省からもノンアルコールのため飲めると発表されています。

米麹の甘酒:ノンアルコールのため、子どもから大人まで、誰でも飲むことができます。

消費者の部屋通信 – 農林水産省

米こうじ甘酒の簡単な作り方

ご飯が余ったら甘酒を作ってみませんか?ジッパー袋に、ご飯茶碗3杯(熱々の場合70℃位に冷ましたもの)と、60℃くらいのお湯茶碗1杯、米こうじ茶碗1杯を入れ、よく混ぜます。60℃くらいのお湯を入れた炊飯釜に袋を入れ、フタをせずにふきんなどをかけた状態で、8時間程度放置すれば出来上がり。甘みが出ていたらOKです。あまり長く放置しすぎると酸味が出てしまいますのでご注意ください。できた甘酒は発酵を止めるために加熱するか、冷蔵して早めに消費してください。ヨーグルトメーカーがあれば、失敗無く簡単にできますよ。

酒粕と米こうじを使った甘酒

酒造会社などで販売されているものには、酒粕と米こうじ両方を使ったものがあります。やはり、アルコール1%未満の場合、清涼飲料水として売られているので、必ず表示成分を確認するようにしてください。

赤ちゃんは酒粕を食べても大丈夫?

結論から言えば、赤ちゃんには酒粕を食べさせることはできません。

記事の後半でご紹介しますが、いくら酒粕のアルコールを飛ばしたとしても、すべてを取り除くことはできないのです。ですから、アルコールを分解する機能が発達していない赤ちゃんには絶対酒粕を食べさせてはいけません。

また、授乳中の方、も念のため酒粕を食べないことをオススメします。市販の酒粕を使った甘酒にも「お酒に弱い方や子ども、妊娠中・授乳中の方は注意してください」などの注意書きがあるはずです。

米こうじを使った甘酒の場合、離乳初期のゴックン期(5~6カ月)から与えることができます。米こうじの甘酒をぬるま湯で2~3倍に薄め、上澄みをスプーン1杯くらいから与えてください。離乳中期のモグモグ期(7~8カ月)からは、トロトロになった米粒を少しずつ与えられるようになります。離乳後期のカミカミ期(9カ月)以降からは、自分でコップなどを持って飲ませてOK。こうじ甘酒は甘みがあるので、自分から積極的に飲んでくれますし、とろみがあって飲みやすくこぼれにくいので、自分で飲む練習にぴったりです。

幼児は酒粕を食べても大丈夫?

1歳以上になって離乳食を卒業した後なら、少しずつ酒粕を食べさせることができます。2019年厚生労働省の離乳食ガイドラインによると、アルコールを飛ばしたみりんや料理酒は7~8カ月以降与えることができるとされています。ただし、積極的に使わなくてもいい調味料に位置づけられていて、1歳以上からを推奨している専門家がほとんどです。みりんや料理酒にはアルコールが12~15%程度含まれていて、煮切ったとしても完全に飛ばすことはできません。つまり、酒粕と同様1%未満のアルコールが残ってしまうのです。

400mlの出汁に、アルコール1%にしたみりんと料理酒を大さじ1杯(15ml)ずつ使うとすると(15+15)×1%÷400ml=0.075%となり、ほとんどアルコール分は気になりません。さらに、幼児が食べる量は100ml以下になりますので、食べても大丈夫という訳ですね。酒粕もアルコールを飛ばして同じような割合で加えれば安心です。

ただし、ほんの少しから始めるようにしましょう。大人でも体質によって、奈良漬けや酒粕を食べただけで酔っぱらってしまう人はいますよね?食べさせた後の様子を観察し、少しでも様子がおかしければすぐ病院に連れて行ってくださいね。また、酒粕独特のニオイや食感は、味覚の発達していない子どもにはイヤ!と感じられることもあります。無理強いはせず、興味を持って食べようとするまで待ってあげることも大切です。

こうじを使った甘酒は、活発に動きエネルギーを消費する子どものオヤツにおすすめです。ただし、糖質が多いので、飲ませすぎには注意です。

子供が酒粕を食べられるようにする方法

アルコールの飛ばし方

アルコールの沸点は78℃。では、それ以上の温度で加熱すればアルコールが無くなるのかと思いますが、そう簡単ではありません。アルコールは水と一緒になると蒸発しにくくなるので、沸騰させても完全に飛ばすことは難しく、1%以下程度残ってしまいます。

酒粕のアルコールを飛ばす場合、一番簡単なのはレンジを使う方法。まず、酒粕を小さくちぎるか刻んで耐熱容器に入れ、同量のぬるま湯で溶かします。40℃程度のぬるま湯を使い、3回位に分けて加えながら溶かしてください。お湯が熱すぎるとかえって溶けにくいので要注意。味噌の固さ位になったら、2分位レンジにかけます。かき混ぜながらアルコールをかけ、さらにレンジで1分。グツグツしてアルコールのニオイがしなくなるまで繰り返してください。ラップをかけてもいいのですが、隙間を空けてふんわりかけるようにしてくださいね。

酒粕の種類を選ぶ

日本酒に種類があるように、酒粕にも種類があります。オススメは米だけを使い醸造用アルコールを加えていない純米酒ですが、その中でも吟醸や大吟醸などの種類があります。吟醸と大吟醸の違いは、米の精米割合の違い。醸造用アルコールが入っているものは辛口、大吟醸ほどたんぱく質が多く甘みのあるフルーティーな味になるのです。日本酒の数だけある酒粕の種類。お子様はじめご家族が好きな味を探してみるのも、楽しいのではないのでしょうか。

ちなみに、使いやすくほとんどアルコールが含まれていない粉末タイプもあります。

子供に酒粕を食べさせる時に注意するべき事

繰り返しになりますが、酒粕のアルコール分が完全になくなることはありません!食べさせた後、以下のような変化がないか、よく見てあげてください。もし、少しでもおかしいと思ったら、すぐ病院に連れて行ってあげてくださいね。

顔や手が赤い・熱い・汗をかいている

アルコールにより急激に血流がよくなった結果、顔や手などが赤くなったり、熱を持ったりすることがあります。いつもと違う赤みや熱さがあり、急に汗をかいたり、他の症状もある場合はお医者さんに相談しましょう。

眠気・脱力

アルコールによって意識低下症状が起こった場合、大人でも眠くなることがありますよね。赤ちゃんや幼児の急な眠気や脱力も、アルコールの影響のせいかもしれません。念のため、他の症状がないか気をつけて観察してあげてください。

いつもと違うテンション

泣き上戸や笑い上戸があるように、アルコールによって感情の起伏が激しくなることがあります。少しでもなにかおかしいなと思ったら、酒粕の影響を疑ってみてください。

呼吸・鼓動が早い

酒粕を食べさせた後、呼吸が早くなったり、ドキドキと鼓動が早かったり強い場合、危険なこともありますので、早目にお医者さんに相談しましょう。

嘔吐

嘔吐や明らかに気持ち悪そうな状態があったら、迷わず病院へ行くことをオススメします。

アレルギー反応

アルコールによりアレルギー反応として、肌がまだらに赤くなったり、息苦しさ、かゆみやじんましんを起こす場合があります。また、くしゃみや鼻水が出ることもあります。人によっては、肌に触れただけでもアレルギー反応が出ることもあるので、怪しい症状が見られたらお医者さんに相談してみてください。

子供におすすめの酒粕レシピ

酒粕汁

子どもが酒粕を食べられる年齢になったら、定番の酒粕汁を家族で食べたいもの。普段の味噌汁に酒粕を入れるだけでコクと風味が増し、体もぽかぽかに温まりますよ。よく合う具は、大根や人参などの根菜類、豚肉、きのこ、油揚げなどです。味噌は白みそや甘い麦みそがオススメ。酒粕は少しずつ入れて、子どもでも食べやすい割合を研究してみてくださいね。酒粕を入れてからよく煮込み、最後に味噌で調味することで、アルコール分をできるだけなくすことができます。

酒粕チーズケーキ

酒粕は焼くとチーズ風味になるので、お菓子に使うのがオススメ。まず、酒粕50gを小さくちぎって耐熱ボウルに入れます。牛乳150mlとバター10g、砂糖30g、はちみつ大さじ1を加えます。ラップをかけずに、レンジで5~6分かけアルコールを飛ばします。粗熱が取れたら、卵1個を入れよく混ぜます。レモン汁大さじ1とホットケーキミックス100gを入れ、さっくり切るように混ぜたら型に入れ、170℃に予熱したオーブンで25~30分焼きます。膨らんだ表面が凹んだら焼き上がりの合図。

小さなカップに入れて、オーブントースターで焼いてもいいですね。一晩冷やすと、よりおいしく食べられますよ。中の方はアルコールが少し残っているので、心配なら外側を少しずつ食べさせてください。

酒粕ホワイトソース

酒粕でホワイトソースを作って、子どもが大好きなシチューやグラタンを作ってみませんか?ソースは3週間以上冷凍保存できますので、酒粕の大量消費にもオススメです。ホワイトソースで煮込んだ後、さらに焼いたり煮たりすることで、アルコールがかなり飛びます。念のため、ソースは少しずつ試してからにしましょう。チーズを加えて増量すると酒粕を食べる量が減りますし、美味しくなるのでオススメです。

まず、酒粕60gを小さく刻み、ぬるま湯60mlに入れ、柔らかくしておきます。その間、フライパンにバター20gを入れ、玉ねぎ1個をしんなりするまで弱火で炒めます。小麦粉40gを振り入れ、軽く炒めたら、柔らかくなった酒粕を入れ、馴染ませながらアルコールを飛ばします。全体が馴染んだら、豆乳または牛乳400mlと塩小さじ2を入れ、グツグツするまで煮込みます。水分がなくなって、トロッとしたら出来上がりです。

酒粕は子供(赤ちゃんや幼児)が食べても大丈夫かのまとめ

酒粕を子供に食べさせる場合の注意点や、おすすめレシピをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

酒粕は赤ちゃんには食べさせることはできませんが、代わりに米こうじを使った甘酒を使って離乳食やおやつ代わりにできることもお伝えしました。米こうじ甘酒は栄養豊富で、便秘解消にも効果が期待できますし、赤ちゃんにも幼児にも安心して与えることができるので、是非活用してみてくださいね。

また、酒粕はしっかり加熱しアルコールを飛ばすことで、1歳以上の子どもにも安心して食べさせることができます。ただし、無理強いせず、様子を見ながら少しずつ食べさせてあげてください。子どもの大人も美味しく食べられる酒粕レシピも紹介しましたので、活用して楽しんでいただければ嬉しいです。

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